JR北海道に国が400億円支援へ 経営改善の「監督命令」、新幹線札幌開業後の経営自立目指す

国土交通省は7月27日、地域人口減少や交通手段の転換により厳しい経営環境にあるJR北海道に対し、経営を支援するため2年間で約400億円台を拠出するとともに、経営改善に向けた取り組みを着実に進めるよう監督命令を発出しました。

国土交通省報道発表資料

JR北海道「地域交通を持続的に維持するために」

JR北海道ニュースリリース:監督命令を受けて

【過去記事】JR北海道、全路線の半分1200kmが「維持困難」 赤字拡大は道庁のせい? 観光客頼みの苦しい経営

JR北海道は、地域人口の減少や他の交通手段の発達による利用者の減少などで経営が悪化。2016年11月には単独では維持できない路線を公表(過去記事)して地域の関係者らと協議してきました。これを受けて国土交通省は、JR会社法に基づいてJR北海道を支援するとともに、経営改善に向けた取り組みを着実に進めることを命じました

国からの財政支援は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)を通じて実施され、400億円台(額は未定)が支援される見通しです。

JR北海道は、不採算路線貨物列車の走る路線の線路や車両などの修繕や設備投資青函トンネルの維持管理経営基盤強化に資する設備投資などに充当します。

期間はひとまず2019年度と2020年度の2年間。2021年度以降は取組の進展具合により支援の継続が別途検討されます。JR北海道の経営改善については、北海道新幹線の札幌延伸効果が現れる2031年度に経営が自立することを目指します

この目標に向けて、JR北海道は札幌圏における非鉄道部門も含めた収益の最大化インバウンド観光客を取り込む観光列車の充実JR貨物との連携による貨物列車走行線区での旅客列車の利便性向上とコスト削減JR北海道グループ全体でのコスト削減と意識改革、新千歳空港アクセスの競争力強化などを進めます。

鉄道路線は、ほかの交通手段が適していて利便性や効率性の向上が期待できる線区については、バスなど新たなサービスへの転換を進めます。

利用者減少で路線を維持できない区間は2019年度、2020年度を「第1次集中改革期間」とし、2次交通も含めたあるべき交通体系について徹底的に検討。その際、国は交通体系のあり方を検討する地域の関係者に必要な支援を行います。その後、第1期集中改革期間を検証し、2021年度から2023年度までの「第2期集中改革期間」に移行します。

JR北海道は2018年度中に第1期集中改革期間の事業計画を策定するとともに、2019年度から2023年度までの中期経営計画と2019年度から2030年度までの長期経営ビジョンを策定。計画に掲げた項目は四半期ごとに鉄道局と検証して情報公開します。また、2021年度以降は、JR北海道と地域の関係者の取り組み状況を検証し、着実に経営改善が進展していることを前提に、JR北海道の健全な経営を確保するための枠組みを構築するとともに、経営自立に向けた国の支援を継続するため、所要の法案を国会に提出することを検討するとしています。

また、JR東日本に対しても、新幹線ネットワークを活用した連携や人的支援、技術支援ならびに観光分野における協力など、最大限の協力や支援を求めています。

監督命令を受けてJR北海道の島田 修社長は「経営再生に向けて『大まかな方向性』を示していただいたことを重く受け止めます」としたうえで「2030年度の北海道新幹線の札幌開業を機に、安全の確保を大前提として、現在抑制されている新幹線の高速輸送機能を最大限発揮することによって経営自立を果たしてまいります」としたコメントを発表。さらに、「地域の皆様からのご支援・ご協力が不可欠と考えおり、今後地域の皆様のご理解をいただけるよう努めてまいります」としています。

国や北海道などに支援を求めてきたJR北海道としては当面の資金不足を回避できた形ですが、長期支援のメドは立っておらず、経営再建の道のりは険しいのが実情。

財政支援を受ける7路線8区間については、北海道や沿線市町村も一定額の支出を求めらることになります。JR北海道は、まず地元に再建策を納得してもらう必要があります。

3年目以降、国の支援を受けるためには、2020年までに目に見える成果を出せるかが勝負。

これまでも当ブログではJR北海道の経営についてお伝えしてきましたが、ようやく国が本腰を入れてJR北の経営改善へ動き出しました。

2020年までの間、JR北海道は少しでも経営を改善できるのか、これからも注目していきます。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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