首都高・日本橋上空区間の地下化ルート案が決定 「日本橋の空を再び」 五輪後にも着工へ

国土交通省、東京都、首都高速道路会社は5月22日、国の重要文化財である日本橋の上を走る首都高速道路に関する「首都高日本橋地下化検討会」を開き、神田橋JCTから江戸橋JCTまでの約1.8kmを地下化するルート案を決定しました。

2020年東京五輪・パラリンピック後の着工を目指し、今夏に開く次回の会合で建設費や負担割合などが議論される見込みです。

国土交通省報道発表資料

東京・中央区にある日本橋は、江戸幕府が開かれた1603年に架けられ、東海道など5つの街道の起点とされました。日本橋川に架かる現在の日本橋は、1911年に建造された石造りの橋です。

長さ約49m、幅27mで、中央部には「日本国道路元標」が埋め込まれ、日本の道路の始点となっています。橋柱の銘板にある「日本橋」の揮毛は徳川慶喜のもので、石造二連のアーチ橋は国の重要文化財に指定されています。

しかし東京オリンピックを翌年に控えた1963年には、首都高が日本橋川上空に開通しました。

日本橋の上を高速道路の高架橋がとおり、橋の上から空を見上げても、見えるのは高架、聞こえるのは走り抜ける車の音です。

それからおよそ50年たち、首都高は東京の中心を走る都心環状線(C1)として重要な役割を果たしていますが、一方で老朽化も進行。川を覆うように造られた首都高は、これまで何度も景観に与える影響などについて議論がされてきました。

2014年、この区間を含めた首都高の大規模更新計画が策定され、2016年には日本橋周辺で検討が進むまちづくりの取り組みが、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されました。

国土交通省と東京都、首都高速はこの機会を捉え、「民間の発意によるまちづくりの展開と連携して首都高を地下化することにより、国際都市にふさわしい品格のある都市景観の形成、歴史や文化を踏まえた日本橋の顔づくり、沿道環境の改善など様々な効果が期待されます」として検討を始めることとなり、昨年7月から検討が開始されました。

日本橋付近の首都高は老朽化と周辺の都市再開発に合わせて、竹橋JCTと江戸橋JCTの間の約2.9kmが大規模更新区間となっています。このうち、竹橋JCTに近い大手町周辺はすでに再開発が完了しつつありますが、江戸橋JCTに近い日本橋周辺では民間業者が再開発事業を検討しており、検討会は江戸橋-神田橋間は地下化が可能と判断。地下化を再開発に組み込むことで、事業費の縮減を図ります。

日本橋川の地下周辺にある東京メトロ半蔵門線、通信ケーブルや送電線を埋設した東京電力の洞道などを避けて、高速道路の地下トンネルを設置する空間を探った結果、検討会は神田橋JCT~江戸橋JCTまでの約1.8kmを地下化の対象区間とすることを決めました。

竹橋JCTから江戸橋JCT方向に、鎌倉橋~JR線と交差する地点までの約0.8kmは地下トンネルを含む既存の八重洲線を改良して利用、その先0.7kmを新設トンネル区間として地下トンネルを作り地下から既存の高架橋へとつながるその後の0.3kmの地上部分も新設します。

また交通渋滞の激しい江戸橋JCTは一部改修を行います。江戸橋JCTは1号羽田線、6号向島線、7号小松線、9号深川線の4方向から交通が集中する結節点で、分岐と合流が入り乱れるJCT。今回の改修で江戸橋JCTの手前にある神田川JCTから八重洲線へ入り、現行の江戸橋JCTの機能を停止することで、その影響による渋滞を緩和する構造とするよう八重洲線を強化します。

新設地下トンネルはわずか700メートルですが、東京メトロ半蔵門線、銀座線、都営浅草線のトンネルや各種の電力線、上水道などの既設インフラを避けるために、地中で川底を上にしながら、高速道路は左右にうねるように走ることになります。最深部は地下20m以上にもなり、国土交通省は「日本橋川の下を抜け、限られた空間を縫うように走る難しい工事になる」としています。

事業費は数千億円に上るとみられ、国と東京都、首都高速道路会社などが協力し、2020年に開催される東京五輪・パラリンピック終了後に着工する方針です。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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