HTC、「Pixel」開発部門などスマホ事業の一部をGoogleに11億ドルで事実上の売却を発表 Uシリーズなど自社ブランドは継続

台湾のHTC (宏達国際電子)は台湾証券取引所で”重大記者会見”を開催し、米国のGoogleとスマートフォン事業における協力契約に関して取締役会で決議したと発表しました。

具体的にはHTCのスマートフォン事業の一部、「Google Pixel」研究開発部門と知的財産を含む関連資産を約11億ドルで売却します。

Google Newsroom

HTC

HTCはこれまで、「Made by Google」として発表されたGoogleの設計したスマートフォン「Pixel」の開発・製造を行っており、10月4日に発表されるとみられる「Pixel 2」の開発・製造も行っていることが報じられています。

HTCについては9月7日、中国工商時報がHTCのスマートフォン部門の買収を米Googleが検討していると報じており、9月20日には台湾証券交易所(TWSE)が”重大記者会見”を実施することから台湾HTCの株式の取引を21日から一時停止すると発表していました。(発表後、取引の再開を申請する見込み)

同社は創立20週年を迎える台湾の電子機器メーカー。主力事業はスマートフォン部門。

技術力やデザイン性の高さから、日本でも発売されて評価を得ているHTC U11、One、Desireスマートフォンシリーズなど、モバイルデバイスと技術革新のパイオニアとして活躍してきたHTC。Googleとの協業でいえば、Nexus Oneをはじめ、昨年にはGoogleオリジナルスマホ「Pixel」の開発・製造を行いました。

しかし、ここ数年は中国メーカーなどにシェアを奪われ、株価が低迷していました。

HTCではここ最近、「Vive」などのVR事業やスマートホーム事業に力を注いでおり、スマートフォン事業を売却してVR事業に注力するのでは、という報道もされていました。

HTCはGoogleとのスマートフォン事業における協力契約に基づいて、スマートフォン事業の一部資産をGoogleに売却することを取締役会で決定。新たな協力体制をつくる、としていますが、事実上の売却です。

Googleが展開するPixelシリーズのスマートフォンを開発していますが、GoogleにPixelシリーズのスマートフォンの研究開発部門および関連資産(知的財産権の非独占的ライセンスを含む)を売却します。

取引総額は11億米ドル(約1,237億円)。HTCのCFOによると、約4000人いる開発部門のおよそ半分がGoogleに合流することになります。

HTCは自社ブランドでスマートフォン事業を継続する計画で、これまで通り、Uシリーズなどのフラッグシップモデルを含めたスマホ事業を継続することを強調しています。

HTCのCher Wang氏(会長・CEO)は「スマートフォンのグローバルリーダーとして、HTCは革新的な研究開発を行ってきた。Googleとの協力契約はHTCのスマートフォン事業の発展に役立つ」とコメントを発表。

GoogleのRick Osterloh氏(ハードウェア部門シニア・バイス・プレジデント)も公式ブログで「Googleのハードウェアビジネスが成熟したと言えるには、まだ早い段階。HTCは長年のパートナーであり、美しくハイエンドなデバイスを作り出した。HTCチームのメンバーがGoogleのスマートフォンへの大いなる挑戦に参加するのを歓迎する」としています。

一方Googleは2012年に米Motoloraを125億ドルで買収したものの、赤字体質を改善できず、特許資産と研究開発部門の一部以外を2014年に約29億ドルで中国Lenovoに売却しています。HTCのスマホ部門もこのようにならないことを祈りたいですね。

10月4日に発表されるとみられる「Pixel 2」の発表会では、改めてGoogle側から何らかの発表が行われるとみられ、HTCとGoogleがそれぞれ今後どのような事業を展開していくのか、注目です。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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