京都市バス・京都バスの「1日乗車券」500円から600円に値上げへ 訪日観光客増加による混雑を少しでも緩和できるのか

京都市交通局が、京都市中心部の市バス・京都バスの路線が乗り放題となる「1日乗車券」を、現在の500円から600円に値上げすることを決めたと、読売新聞などが報じました。値上げが適用されるのは来年3月からです。

一方、バスだけでなく、市営地下鉄も利用できる「京都観光1日(2日)乗車券」現行の1200円(2日は2000円)から900円(同1700円)へ値下げすることも決定。

今回は個人的な意見も含みながらコラム的にお届けします。

京都市交通局

訪日外国人観光客、いわゆる「インバウンド」が急増している京都市では、バスの混雑が慢性的に問題となっています。

現在500円で販売されていいる「市バス・京都バス1日乗車券」は、京都市中心部の「均一運賃区間(230円)」内であれば、市バスと民間の「京都バス」が乗り放題となるお得なフリーきっぷです。「3回乗れば元がとれる」という割安感と、券面を見せるだけという手軽さで、観光客だけでなく市民の多くが利用し、発売枚数は年間600万枚にものぼります。

京都市は、その1日乗車券を2018年3月から600円に値上げすることを決めました。

一方、バスだけでなく、市営地下鉄も利用できる「京都観光1日(2日)乗車券」現行の1200円(2日は2000円)から900円(同1700円)へ値下げすることも決定。

目的は混雑緩和。京都市営地下鉄や阪急・京阪など私鉄の利用へ観光客を誘導・分散し、バスの混雑を緩和するのが狙いです。

バス大国とも言われる京都市のバス路線図

京都市バスでは、数年前から大きなスーツケースを抱えた外国人観光客などで車内が混雑することが常態化。停留所で待っていた一般市民が乗れなかったり、観光客の乗降に時間がかかったりし、運行の遅れも目立ちます。

そんな中、今年のダイヤ改正によって混雑解消に向けた主要系統の運行拡充が行われました。市内循環系統の203,204,205,206系統でラッシュ時間帯の増便が行われ、これまで観光シーズンの臨時路線だった「二条城・金閣寺Express」の通年運行を開始。京都駅と金閣寺間で観光需要の多い二条城、西本願寺、北野天満宮にのみ停車することで、観光客の乗車を促して乗客を分散化し、市民利用の多い205や101系統などの混雑緩和を図りました。

これらの効果も一定数みられるものの、根本的解決には至っていないのが現状です。

市民からは混雑でバスに乗れない、という不満が募る中の今回の値上げ発表は、どのような影響を及ぼすのでしょうか。

バスの1日乗車券が600万枚以上を売り上げる一方、市バス・地下鉄1日乗車券は49万枚。価格差を縮めれば、観光客が市バスから地下鉄に乗り換えるだろう、という目算です。

計画では5億7000万円~8億5000万円の増収となる見込みですが、増収分は「利便性向上に充てる」としながら、具体案は明らかにしていません。

市バス1日乗車券の購入者のうち3割以上を占める市民が、バスの混雑回避を口実にした値上げだと疑わないよう、もっと他の混雑回避策も示すべきです。

私も京都には週2回以上行っているので、もう何度となく京都市バスも1日乗車券も利用していますが、「3回乗れば元が取れる」というのは600円になっても変わらないので、ほとんどの人は変わらずに買うと思います。

100円の値上げでバス大国(バス以外は観光利用に不向きにみえる)の京都で混雑緩和というのは、無理な話だと私は思います。

以前、京都の紅葉を撮ってきた!という記事の最後でもご紹介しましたが、私は京都の観光は「私鉄」「地下鉄」を利用することをお勧めします

清水寺や二条城、金閣寺といった有名観光地は、確かに駅から遠いように思われがちですが、実はどこも駅から徒歩15分程度。今の京都の現状ではバス待ちで30分、乗っても座れないのに渋滞でなかなか着かない、なんてことは当たり前になってしまっています。一方の阪急・京阪などの私鉄、地下鉄は利用客もラッシュ時を除けば少なく、時間の調整も簡単です。

バスの便利さに比べて地下鉄が2系統しかなく使いにくいのが京都の弱点とされてきましたが、実はJR京都駅に直結している地下鉄烏丸線の使い勝手は悪くありません。例えば北大路駅まで出てそこからバスを利用する事で、西陣や金閣寺、銀閣寺といった北部へのアクセスはより快適になります。さらに鞍馬や貴船といった市の北部へは、京都駅からJR奈良線で1駅の東福寺駅で直結している京阪電車に乗り換えて出町柳駅へ行って叡山電鉄に乗れば、バスで出町柳まで行くよりも渋滞知らず・混雑知らずで行くことができるのです。

確かにバスでないと不便な場面もありますが、私はこれからも、極力電車を使って京都の町を移動したいと思います。

(バスと地下鉄、よりも地下鉄+私鉄のフリーきっぷを切望)

今回の値上げは、京都のキャパシティの小ささを考えればやむを得ない措置とも言えそうですが、果たして地下鉄や私鉄への誘導、そして混雑緩和は成功するのでしょうか。

そして最後になりますが、おそらく値上げされる直前には、500円の1日乗車券に買い手が殺到すると思います。そしてまた転売などが行われると思いますので、もし必要な方はいまのうちに。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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