2017年鉄道ブルーリボン賞はJR九州の蓄電池電車「DENCHA」に 山手線新型車などはローレル賞受賞 鉄道友の会が発表

鉄道趣味団体「鉄道友の会」は5月24日、「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」を発表。JR九州のBEC819系蓄電池電車「DENCHA」を2017年のブルーリボン賞に選定したと発表しました。このほか、JR東日本E235系電車など3形式がローレル賞に選ばれました。

鉄道友の会

鉄道友の会 2017年ブルーリボン賞・ローレル賞選考理由

鉄道車両におけるブルーリボン賞とローレル賞は、鉄道友の会が毎年1回、前年中に営業運転に就いた新型車、もしくは新型車と見なせる改造車の中から選定している賞です。

ブルーリボン賞は会員投票に基づいて選考委員会が審議し、最優秀と認めた車両を選定し、ローレル賞も会員の投票結果を参考に、選考委員会が優秀と認めた車両を選んでいます。今回の候補車両は13ありました。

ちなみに鉄道友の会は鉄道趣味の任意団体ではありますが、設立から60年と伝統の長い団体で、その影響力は大きく、ブルーリボン賞の受賞時には鉄道各社は大々的な受賞セレモニーを行うほどです。

ブルーリボン賞にJR九州の蓄電池車「DENCHA」

JR九州の819系交流架線式蓄電池電車「DENCHA」は、筑豊本線や、篠栗線(福北ゆたか線)の一部で使用で運行されている車両で、国鉄時代から使われている老朽化したディーゼルカーの置き換えを目的に導入されました。

線路の上に電線のある電化区間では、従来の電車と同じように電線から取った電気の力で走り、あわせて走行中や停車中に電気を蓄電池に充電します。線路の上に電線がなく”電車”が走れない(*)非電化区間では、パンタグラフを下げて、蓄電池の電力で走ります。またブレーキ時に、進もうとするエネルギーを車両のモーターに戻して発電した電気(回生エネルギー)を蓄電池に充電することで、省エネルギー化を実現しています。

主回路蓄電池はリチウム蓄電池モジュールを72個直列につないだもので、蓄電池の入った電池箱は青色に塗装され、床下に取り付けられ外から見えるようになっています。

車両は2両編成。片側3ドアで、座席は窓を背に座るロングシート。現在は、筑豊本線の折尾~若松間(若松線)や、筑豊本線・篠栗線(福北ゆたか線)の直方~桂川~博多間の一部で使用されています。

鉄道友の会は「気動車から電車システムに置き換わることにより、エンジンの騒音・振動・排気ガスがなくなり、動力費およびメンテナンス費用の削減、回生ブレーキによる電気エネルギーの再利用等、環境負荷の低減に大きく寄与し、電車になることで沿線イメージ向上などの効果も期待されます。これらの特徴を高く評価しブルーリボン賞に選定しました」としています。

2015年に受賞した北陸新幹線W7系

ちなみに、2016年のブルーリボン賞には阪神電車5700系、2015年には北陸新幹線(JR東西)のW7・E7系が受賞しています。

*注:非電化区間でどのように”列車”が走るのかですが、もともと鉄道はどれも「蒸気機関車」で、20世紀半ば以降、”内燃機関”を用いた内燃機関車、気動車が使用され、現在では機関効率や安全性においてディーゼルエンジンが最も有利とされ、多く採用されています。日本をはじめ多くの鉄道先進国では主要路線を中心にほとんどの線区は「電化」され、いわゆる“電車”が走っています。電化とは、鉄道の動力を電気にすることで、電車は電線から電力をパンタグラフを介して受けとり、走行するわけです。

ローレル賞は山手線・えちごトキめき鉄道・静岡鉄道の新車両に

ローレル賞はJR東日本の山手線新車両E235系電車えちごトキめき鉄道のET122系気動車1000番台静岡鉄道のA3000形電車が受賞しました。

JR東日本のE235系は、JR東日本が次世代の山手線通勤型車両として開発した新型電車で、量産先行車は2015年11月に山手線で営業運転を始めたが、一番列車の発車直後からトラブルが多数発生。車両制御システムの改修などを行い、2016年3月から営業運転に復帰した。今年5月からは量産車の営業運転も始まっています。

鉄道友の会は、E235系を「安全・安定輸送を前提に新機軸をハード・ソフト両面で取り入れた車両」と評価しました。

えちごトキめき鉄道のET122系1000番台は、普通列車で運用されているET122系気動車をベースに製造された観光車両で、愛称として「えちごトキめきリゾート 雪月花」という名前が付けられています。受賞理由として鉄道友の会は「日本海や妙高山などの沿線の観光資源を最大限取り込むべく、高いレベルの開発コンセプトを具現化した車両となっており、同社沿線の観光振興に大きく寄与している」点を挙げました。

静岡鉄道のA3000形電車は、静岡鉄道にとって43年ぶりとなる新型車両です。鉄道友の会は「現在の鉄道車両において確立・熟成された高い信頼性を持つ技術をバランスよく選択し、併せて同社の路線規模・運行形態・保守性などとのマッチングを十二分に考慮し、コンパクト且つオーソドックスにまとめられた車両」だと評価しています。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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