福岡空港民営化:空港リニューアル控え運営権争奪激化 西鉄・九電・三菱商事の地場連合にオリックスなども入札検討

福岡市議会で可決され、2019年4月を予定している福岡空港の民営化を巡り、三菱地所やオリックス、住友商事など複数の大手企業が、運営企業を選ぶ入札に参加を検討していることが分かりました。

アジアに最も近い国際空港で、福岡市中心部へのアクセスは地下鉄でわずか5分という好立地の福岡空港は、発着回数と旅客数が日本国内4位で、2025年には2本目の滑走路が完成します。ターミナルビルのリニューアル完了も2019年に控えており、九州電力や西日本鉄道を中心とする「地域連合」を含めて、運営権の争奪戦は激しさを増しそうです。

福岡空港再整備事業

国土交通省報道発表資料

西鉄・九電・ANA・JAL+三菱商事の「地場連合」と民間大手の争奪戦

2019年度に予定されている福岡空港の民営化を巡って国土交通省が実施する入札に対し、入札を検討する主な大手企業は、九州電力や西日本鉄道などの地場連合とと共同で参加予定の三菱商事のほか、三菱地所オリックス住友商事伊藤忠商事東京急行電鉄など大手が参加を検討していることが分かり、複数の企業グループによる競合となりそうです。(西日本新聞

地場連合九州電力西鉄に加え、ANAホールディングス日本航空などが出資する「福岡エアポートホールディングス」が中核となり、三菱商事やシンガポールの空港運営会社チャンギ・エアポート・グループとの連合で入札に臨みます。

三菱商事は現在、ミャンマーのマンダレー国際空港で、航空機や旅客の誘導などを手掛けていて、モンゴルフィリピンの空港建設にも参入しています。一方、西鉄など地場連合は、商業施設の運営には実績がある半面、空港特有の管理作業や、海外航空会社との折衝などのノウハウは乏しいのが実情。三菱商事側は空港利用客の動線設計や、商業施設の開発事業などで地場連合と組めば、新たなビジネスチャンスにつながると判断したようです。(読売新聞

またオリックスは、フランスの空港運営会社バンシ・エアポートと連合で2016年に民営化された関西・大阪両空港を運営しており、神戸空港の運営権も取得する見通しです。

住友商事はアジアの空港内で保安システムやモノレールの整備を手掛けた実績もあり、福岡空港の運営権を獲得した場合、ドイツの空港運営会社と連合を組むことを検討しています。

東京急行電鉄(東急)昨年7月に民営化した仙台空港を運営しており、国内ですでに実績があります。

伊藤忠商事は、航空機のリース事業を手がけ、航空機の内装品メーカーの筆頭株主も務めるなど、航空業界とのつながりは随一。空港を含めたインフラ整備にも意欲的で、外資系企業などとの連携も検討する方向です。(毎日新聞

 

国土交通省は5月中に、運営権の最低入札価格を1610億円、権利期間は30年とするなどの募集要項を公表し、公募を開始。活性化策などを総合評価して、18年5月に運営企業を決める予定で、民営化は2019年4月を予定しています。

民営化では、入札によって国が滑走路などの運営権を民間事業者に譲渡し、ターミナルビルを含む一体的な運営で利便性や収益力を高める狙いです。国は調達した資金を、福岡空港の滑走路増設(2025年に供用開始予定、総事業費1643億円)に充てる計画です。

なお空港民営化は、日本国内では2016年に関西・大阪、仙台空港が民営化され、高松や広島、熊本空港などでも計画されています。

福岡空港の発着回数は17.4万回/年で国内3位、旅客数は2137万人/年で国内4位(2015年度データ)。特に東京(羽田)―福岡間の航空路線運行本数は羽田ー新千歳間に次いで2位です。福岡市中心部の博多駅へのアクセスは、地下鉄でわずか5分、天神地区へもわずか12分と好立地でなんと空港へのアクセス時間は世界4位。アジアに近いことから訪日客も大幅に増加しています。

また福岡空港国内線の旅客ターミナルビル再整備事業が2年前から行われており、2019年春の全面リニューアルに向け、着々と工事が進んでいます。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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