ソニー、2016年度通期決算を発表 スマートフォン事業は販売数1460万台で黒字転換 グループ全体でV字回復へ

ソニー株式会社は4月27日、2016年度通期のグループ連結決算を発表し、ソニーモバイルコミュニケーションズのスマートフォン年間販売台数が1,450万台で、売上高は減少したものの営業利益が黒字に転換したことを明らかにしました。

ソニー株式会社業績発表

スマートフォン事業を手がけるソニーモバイルコミュニケーションズの2016年度の販売台数は、第1四半期(1Q)が310万台、第二四半期(2Q)が350万台、第三四半期(3Q)が 510 万台、第四四半期(4Q)が290万台で、年間通期では1,460万台となりました。

2015年度の販売台数は2,490万台、売上高は1兆1,275億円でしたが、不採算地域での事業規模を大幅に絞り込んだことなどが影響して、売上高は33%減収した7,591億円で、販売台数は1,000万台以上も減少しました。

一方営業利益は2015 年度の-614億円の赤字から+102億円の黒字に転換しており、業績は回復しています。

ソニーは、販売台数減のマイナス影響があったものの、2014年度後半から実施してきた構造改革による費用削減効果を含むオペレーションコストの削減が大きく、前年度から716億円もの改善に繋がったとしています。

2017年度は、スマートフォンの年間販売台数を中近東や欧州を中心に190万台引き上げて1,650万台にし、売上高は、2016年度から8%増の8,200億円を見込んでいます。

グループ全体の決算を見ると、2016年度の売上高及び営業収入は前年度比6.2%減少し、7兆6,033億円となりましたが、これは主に為替の影響によるものとしています。営業利益は前年度比55億円減少し、2,887億円純利益は前年度に比べ745億円減少し、733億円となりました。

PS4が好調なゲーム&ネットワークサービス分野は、売上高が前年度比6.3%増加した1兆6,498億円。2016年度は、為替の影響やPS4の価格改定の影響などがありましたが、主にネットワークを通じた販売を含むPS4ソフトの増収及びハードウェアの増収により、分野全体で増収となりました。

営業利益も前年度比469億円増加し、1,356億円となりました。PS4のコスト削減や、前述のPS4ソフトの増収の影響などにより、大幅な増益を達成しました。同時に発表した「2016年度 連結業績概要」によれば、2016年度中のPS4普及台数は2,000万台に到達しているとのことです。

カメラ事業を手がけるイメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、前年度から15%の減収となり、営業利益は221億円減少の473億円を計上しました。昨年4月に発生した熊本地震によるマイナス影響をコスト削減などでカバーしたものの、円高の悪影響が大きく、前年度から大幅な減益という結果となったということです。

また同分野では、2017年4月1日から分社化されて、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社が発足しています。

先日、SONYの最高峰カメラ「α9」を発表したこともあって2017年度は増収増益を見込んでおり、営業利益見通しは600億円としています。

テレビやヘッドホンなどオーディオ機器を手がけるホームエンタテインメント&サウンド分野は、為替の影響もあって前年度から10%の減収となったものの、製品ミックスの改善などにより79億円増益し、585億円の営業利益を計上しました。特にテレビは「BRAVIA」ブランドの収益性が大幅に改善し、業績の安定度も向上したとしています。販売台数も1200万台前後で安定しています。

カメラのイメージセンサーを中心とした半導体分野は、前年度から5%増収したものの、営業損益は223億円悪化し、78億円の赤字を 計上しました。損益悪化の要因は、円高による悪影響が437億円、熊本地震によるマイナス影響が約280億円で、モバイル向けイメージセンサーの数量増の効果などが改善要因となったものの、カバーできずに大幅な損益悪化となりました。

2017年度の見通しは、大幅な増収・損益改善を見込んでおり、売上高で8,800億円、 営業利益で1,200億円としています。

1,200億円のうち270億円については、4月アタマに発表したカメラモジュール事業の中国工場の売却益となっています。加えて、熊本地震の保険受取が今期も追加で67億円程度発生することから、事業による実質的な営業利益水準は863億円程度という計算です。

カメラ向けイメージセンサーについては、2016年度に収益性が大幅に低下したものの、2017年度は、複眼化の進展や中国メーカー向け拡販による数量増の効果などにより、収益性は大きく改善する見通しだということです。

電池やストレージメディアなどのコンポーネント分野については13%の減収となり、604億円の営業赤字を計上しました。電池事業については、村田製作所に事業譲渡に向けた準備を進めており、7月上旬には取引完了となる予定です。2017年度からはコンポーネント分野は廃止し、ストレージメディアなど残る事業はその他分野に移管します。

Sony Pictures Entertainment Inc.を中心とする映画分野は、営業損益が3Qに営業権の減損1,121億円を計上したことなどにより、 805億円の営業赤字となりました。2017年度の見通しは、メディアネットワークやテレビ番組制作の売上拡大により大幅な増収を見込んでいます。また、2004年から13年に渡ってソニー・ピクチャーズを率いてきた、CEOのマイケル・リントン氏が退社することから、後任の選定を進めているとしています。

同じくSony Music Entertainment Inc.を中心とする音楽分野は、前年度から増収減益となり758億円の営業利益を計上しました。この減益は主に、前年度にOrchardの完全子会社化に伴う評価益181億円を計上していたことによるもので、モバイルゲームのFate/Grand Orderが非常に好調に推移したことも利益貢献を果たしました。

またソニー銀行やソニー生命などの金融分野増収増益となり、1,664億円の営業利益を計上しました。

なお、グループ全体は2017年度見通しを売上高及び営業収入が8兆円、営業利益が5,000億円、税引前利益が4,700億円、純利益が2,550億円としており、今回発表された2016年度よりも大幅な増収増益を見込んでいます。

ソニーはVAIOの分社化をはじめとした不振事業の整理やコスト削減を進めてきましたが、ようやく成果が表れた形でV字回復の傾向が鮮明になってきました。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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