星野リゾート、新今宮駅前に大規模ホテル建設へ 「あいりん地区」向かいの空白地に「観光のポテンシャル」

星野リゾートは4月24日、大阪市浪速区の新今宮駅前に建設する大型観光ホテルの概要を発表しました。大阪市が実施した開発事業者募集プロポーザルに応募し、自社の計画案が採用されたと発表。都市観光客をターゲットにした新しいスタイルのホテルとして、2022年開業を目指して計画するということです。

一方開業予定の新今宮駅の南側は、日雇い労働者の街として知られる「あいりん地区」が広がり、大阪ミナミの中心部であるにもかかわらず、ホテル予定地は35年もの間空白地で、今回大阪市が売りに出しましたが、買い手は星野リゾートのみでした。

星野リゾート プレスリリース

大阪ミナミの空白地

星野リゾートの新ホテル建設予定地は、JR新今宮駅のすぐ北側に位置する約1万4000㎡の土地。星野リゾートが大阪市の開発事業者募集プロポーザルに応じ、市有地を約18億円で購入しました。

大阪の地図が下です。大阪の中心は、大阪梅田の「キタ」と、難波や天王寺の「ミナミ」に大別され、今回の予定地はまさにミナミの中心部にあります。

開発を予定している場所は、通天閣などがあって「大阪の風情」を残す新世界エリアに近く、都市観光の拠点になりえると星野リゾートは考えています。大阪のシンボルでもある通天閣や新世界エリアが徒歩圏内で、南海電鉄・JR大阪環状線の新今宮駅、地下鉄御堂筋線・堺筋線の動物園前駅に隣接。電車で1駅であべのハルカスなどがある、ターミナル駅の天王寺に行けて、関西国際空港から直接アクセスできることに加え、大阪市の中心部や観光名所への移動に便利な場所です。

しかしなぜこんな便利な場所が空白地だったのか。

新今宮駅の南側は日雇い労働者の街として知られる「あいりん地区」と呼ばれる一角で、安い簡易宿泊所が集まる場所です。

ホテルが建つ場所は大阪・ミナミの中心部にありながら30年以上塩漬けになっている土地。

落札に参加したのも星野リゾートのみで、ライバルが「尻込みする土地」だったわけです。

しかし、デフレ経済のあおりで廃業に追い込まれた旅館やホテルを数多く再生してきた星野リゾートは、ここを「ポテンシャルのある土地」として計画を進めます。

大阪は民泊利用率も高く、海外からの訪日客は日雇い労働者が多く利用する簡易宿所にも抵抗なく泊まっていて、近年は日雇い労働者だけでなく外国人観光客が多いのが現状。大阪市の宿泊施設の稼働率は3年連続で全国一です。関西国際空港への地の利もある今回の物件は、星野リゾートにとっては「まだまだポテンシャルがある土地」と映るのです。

街中の緑地を創出

ホテルは20階建てで、温泉施設やカフェなどを設けます。客室数は608で、部屋の広さは30㎡以上。国内外の幅広い観光客の利用を想定し、一般的なビジネスホテルより高い料金にします。

低価格にこだわるビジネス客はターゲットから外し都市型ホテルチェーンとは一線を画します。訪日客など観光客に絞り込み、接客の質は保ちつつ、料金は旗艦ブランド「星のや」より抑えるという戦略です。

パブリックエリアでは、大阪の食文化を感じられるレストランやカフェテリア、旅の疲れを癒せる大浴場、楽しい時間を過ごせるアミューズメント施設、宿泊客に向けた季節の催し物やパブリックビューイングなどのイベントを実施する場所など、大阪の歴史や文化に触れられるご当地感あふれるサービスを予定。

また、駅からの視認性の良さを活かし、ホテルの建物と一体になるような緑地「みやぐりん(仮称)」を設けることで、旅行客にとって魅力的なホテルにすると同時に、新今宮駅を行き交う人々にとっても、街中に緑を感じられるような景観をつくります。

これは「にぎわいの創出」や「駅前に相応しい都市景観の創出」という、大阪市が期待している事業内容にも応えるもの。

ホテルだけでなく緑地ができることで、新今宮駅周辺の風景が一変することは確実です。

 

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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