任天堂が戦略転換?マリオでミッキーの成功狙う

 スマートフォン向けゲーム「Pokemon GO」の驚くべき大ヒットで、任天堂は、スーパーマリオのような他の人気キャラクターをライセンス化することで、さらに利益を上げようと考えていると、今日報じられました。

そのお手本となるのは、ミッキーマウスやその仲間たちのライセンス商品によって年間何十億ドルも売り上げているウォルト・ディズニーの戦略です。

 ディズニーのキャラクター商品が、映画の興行収入よりも売り上げることが多い一方、スーパーマリオやポケモン、その他の任天堂のキャラクターたちは、苦戦するゲーム機ビジネス以外での活用に任天堂が積極的ではなかったため、日の目を見ない状況に置かれていました。

Pokemon GOの成功は、任天堂のキャラクターたちがゲーム機ビジネスの世界から飛び出し、ポケモンのように歩き回ることを予兆しているのかもしれないのです。1889年、京都で花札を製造する会社として始まり、世界有数のコンピューターゲーム会社へ成長した任天堂が復活する可能性を秘めています。

 Pokemon GOはGoogleから独立したNiantec社が開発・配信を手掛け、ポケットモンスターの権利を保有しているポケモン社(The Pokemon Company)はライセンス料と開発運営協力費を受け取る関係にあります。ポケモン社は任天堂が32%出資しています。

 ロイター通信によると、

任天堂の君島社長は株主・投資家へのメッセージのなかで「これまでビデオゲーム専用機に集中させてきた任天堂IP(知的財産)をさまざまな形で活用していく」と表明している。

「任天堂の知的財産の価値はばく大で、3─5年かけて徐々に開放されると、われわれはみている」と、証券会社ジェフリーズのアナリスト、アトゥル・ゴヤル氏は25日のリサーチノートにこう記している。

玩具メーカー、タカラトミーの広報担当者は、ポケモンGO配信後、ポケモン関連のおもちゃに再び関心が高まっていると指摘。

主に円高を背景として4─6月期に連結営業損失を計上した任天堂は、「ゼルダの伝説」を含む人気シリーズのキャラクターライセンス化を拡大する戦略を打ち出すとみられる。

玩具メーカーのある社員は、任天堂のライセンス事業担当者はごく少数で、限られた企業としか取引していなかったが、IPビジネス拡大を打ち出してから、それは変わりつつあると語る。

任天堂の代表取締役でスーパーマリオの生みの親である宮本茂氏は、同社のキャラクターをゲーム機以外に広げ、収益を創出するライセンス契約の対象とする意欲が高まっていると指摘している。

宮本氏は6月末に行われた定時株主総会で、「結果が出るには時間がかかるが、ご期待いただければと思う」と述べ、ユニバーサル・パークス・アンド・リゾーツと基本合意し、テーマパーク事業に任天堂のキャラクターを提供することも始めていることを明かした。

と報じられ、任天堂がようやくIPビジネスに本腰を入れたことがうかがえます。

低迷するゲーム機事業と、米ディズニーとの差

任天堂本社(京都市)

任天堂本社(京都市)

「Wii」のブームが4年前に陰りを見せ、その後継機「Wii U」販売も低迷するなか、任天堂は赤字に苦しみ、同社の手元資金は約50億ドルまで半分以上減ったとされます。私も持っていますが、「Wii」は2006年後半の発売開始から「Wii U」発売前年の2011年末までに約1億台売れましたが、続く「Wii U」はわずか1300万台売れたにすぎません。ゲームの主軸がテレビからスマホへと移ると、「3DS」の売り上げは従来の「DS」の3分の1にとどまった。不調なゲーム機ビジネスに集中できなくなることを警戒した任天堂は、他プラットフォーム向けのゲーム製造や、ライセンス事業などを遠ざけていたのです。

2015年度のライセンス収入は約57億円で、売上高全体のわずか1%程度にすぎませんでした。ディズニーがミッキーマウスやトイ・ストーリー、くまのプーさん、最近ではスター・ウォーズなどで稼ぐ収入と比べたらほんの一部なのです。

ミッキーマウスのライセンスで、ディズニーが前年度に稼いだ売上高は計45億ドル。これは、同社売上全体の約9%に相当する数字です。

ディズニーにとってライセンス事業は最も急成長している部門であり、昨年までの1年で営業利益は前年比29%増加しています。2010年公開の「トイ・ストーリー3」は、映画館やテレビ放映で17億ドルを売り上げたましたが、おもちゃや本、スマホアプリといったライセンス商品の売り上げは73億ドルに上ります。

しかし、ここまで任天堂がライセンスで稼ぐ未来はあるのでしょうか。。

9月には腕時計型の周辺機器「Pokemon Go Plus」が発売されますが、Pokemon Goをプレイする人の多くは大人。果たして大人がそんな腕時計を付けるのかは疑問です。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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