京阪電車、全車両座席指定「ライナー」列車・アテンダント乗務の「プレミアムカー」が8月登場 関西にも「座れる通勤列車」の時代到来?

京阪電気鉄道は3月30日、専属アテンダントが乗務する座席指定の特急車両「プレミアムカー」のサービス開始日とサービス内容について発表しました。「プレミアムカー」を組み入れた8000系は8月20日から運転を開始し、土休日・平日の6時~22時の間で運転されます。

また合わせて8月21日から、平日朝のラッシュ時間帯に全車両座席指定の「ライナー」列車を導入することも発表されました。

《追記2017.5.20》京阪電車がプレミアムカーの全貌をHP及び報道陣向けに公開しましたので追記しています。

京阪プレミアムカー特設サイト

京阪HDプレスリリース①京阪HDプレスリリース②

ANA委託のアテンダントが乗務する「プレミアムカー」

プレミアムカーは、京阪本線を走る追加料金不要の速達列車である「京阪特急」で運用されている8000系電車(8両編成)の6号車を改造して導入する特別車両です。座席は横1列に3席(1+2席)の配置に変わり、オリジナルのリクライニングシートを導入します。パソコンも使用できる大型テーブルを備え、コンセントも全席に設置。微粒子イオンで車内の空気を浄化するシャープ製の「ナノイー」発生装置も搭載します。車いすスペースと大きな荷物を持った利用者向けのラゲッジスペースを5号車側に設置し、外国人旅行客をはじめ誰でも利用できる「KEIHAN FREE Wi-Fi」も装備しました。

発表によると、プレミアムカーを組み込んだ8000系は8月20日から運行を開始。運行時間帯は平日が上り7~22時台と下り6~22時台、土曜・休日が6~22時台で、最大1時間に上下各4本運行されます。

プレミアムカーには専属アテンダントが乗務し、利用者の出迎えや見送り、観光案内などのサービスを行います。アテンダント業務はANAグループのANAビジネスソリューションに委託するということです。

デザインについては、京阪電車の新世代車両のデザインコンセプトでもある「風流の今様」を継承。内装はくつろぎ感を増す「静寂の月夜」を空間イメージとしており、通路床面は「水面の月あかり」、座席床面は「枯山水」、側壁面は「霧の山稜」を表現したといいます。

7号車の客室は横3列(2列+1列)の座席配置になり、大型背面テーブルとコンセントが設置されたことで、移動中のパソコン利用も可能になりました。座席の前後のシート間隔を従来よりも100mm拡大し、足元空間にも可能な限りの余裕をもたせています。京阪初のリクライニング可能な広いシート(着座面の幅460mm)はプライベートな時間をゆったり過ごせるプレミアムシートとなっています。

「プレミアムカー券」は400~500円

乗車する際は「プレミアムカー券」の購入が必要で、プレミアムカー料金は400~500円となります。大阪市内の淀屋橋駅・北浜駅・天満橋駅・京橋駅から乗車する場合、樟葉駅まで400円、中書島駅から先までは500円です。出町柳駅など京都市内の特急停車駅から乗車する場合、枚方市駅まで400円、京橋駅から先は500円となります。

「プレミアムカー券」は特急停車駅で販売されるほか、8月初旬に開設されるインターネット専用サイト「プレミアムカークラブ」でも購入可能(会員登録が必要)です。乗車14日前の10時から列車出発時刻の3分前まで販売されます。

使用される8000系

「プレミアムカー」は8000系の6号車、京都側から6両目(大阪側から3両目)となります。6号車以外はこれまで通り乗車券のみ乗車できます。

通勤用の全席指定「ライナー」列車も

「ライナー」列車の車両方向幕デザイン

京阪線では「プレミアムカー」のサービス開始に合わせ、8月20日に一部列車のダイヤを変更する予定です翌日の8月21日から、通勤・通学利用者が対象の新サービスとして、全車両座席指定の「ライナー」列車が導入されることになりました。

8月21日から運行される「ライナー列車」も、プレミアムカーを組み込んだ8両編成の8000系で運行。運行本数は平日朝2本で、枚方市7時15分頃発~淀屋橋7時45分頃着樟葉8時20分頃発~淀屋橋8時55分頃着の列車が運行される予定となっています。2本とも途中停車駅は京橋駅・天満橋駅・北浜駅です。

「ライナー列車」は全ての車両が座席指定車となり、乗車に際しては乗車券のほかライナー券(プレミアムカー利用の場合はプレミアムカー券)を別途購入する必要があります。ただし京橋・天満橋・北浜各駅からは、プレミアムカーを除いて、ライナー券を持っていなくても乗車できます。

6号車「プレミアムカー」を除き、ライナー料金は一律300円。乗車に必要な「ライナー券」乗車14日前の10時から列車出発時刻の3分前まで販売され、特急停車駅と「プレミアムカークラブ」(会員登録が必要)にて購入できます。

「座れる通勤列車」の時代到来?

西武鉄道と東京メトロ副都心線・有楽町線、東急東横線、みなとみらい線などを直通する西武鉄道の座れる通勤列車「S-TRAIN」は、新たに3月25日から運行を開始しました。

座席をロングシートと2人がけのクロスシートの両方に変換できる西武の新型車両「40000系」を使用し、平日は西武池袋線・東京メトロ有楽町線経由で所沢-豊洲間、土休日は西武秩父線・池袋線・東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線経由で西武秩父-元町・中華街間を結びます。

平日の列車は通勤利用者が主なターゲット。豊洲行きの列車は4本のうち午前中は1本だけで、時間も所沢6時24分発とやや朝早いですが、豊洲発・所沢行きは17時・20時・23時発と3本とも夕~夜間の運転。510円の追加料金で必ず座れ、車両はコンセントやWi-Fi装備。地下鉄線内から西武池袋線沿線への帰宅客の人気を集めています。

通勤客向けの平日の列車に対し、土休日の列車は秩父や横浜への観光客や買い物客などがターゲット

特に注目されるのは、初の座席指定列車となる東急東横線内での利用だ。東横線内の停車駅である渋谷・自由が丘・横浜の3駅にはホーム上に指定席券売機が設置され、東横線各駅の自動券売機でも指定券が買えます。

近年、鉄道各社では「座れる通勤列車」の導入が相次いでいます。

2015年12月に京急電鉄がこれまでの夜間の下り列車に加え、朝方の上り列車として「モーニング・ウィング号」の運転を始めたほか、2016年3月には東武東上線の座席定員制列車「TJライナー」も朝方の上り列車の運行を開始。老舗と言える小田急電鉄も、東京メトロ千代田線直通の特急ロマンスカーを増発しています。

さらに2018年には、京王電鉄も同社初となる座席指定制列車の運行を始める予定。JR東日本も2020年をめどに中央線快速へのグリーン車導入を計画しています。

そんな関東で白熱する「座れる通勤列車」の激戦。

既に近畿日本鉄道が特急券の必要な特急を運行していますが、元々「特急」に料金が不要だった京阪電車の参入は、座れる通勤電車の時代の到来を告げる列車となりそうです。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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