「AIタクシー」でタクシーが捕まりやすくなる?ドコモ、東京無線、富士通などが共同実証実験 タクシー需要を予測して空車を削減

NTTドコモは、東京無線協同組合、富士通、富士通テンの4組織合同で実証実験中の「AIタクシー」の成果報告とデモストレーションを都内で開催しました。

NTTドコモ報道発表資料

30分先の乗車需要を予測

ドコモが開発した「AIタクシー」は、人工知能技術を活用して、タクシー運転手が乗客を効率的に拾えるようにする事業者向けソリューションです。

AIタクシーとは、運転手に対して算出した「リアルタイム移動需要予測情報」を提示し、タクシーに乗りたいと思う人がいるところへ営業をうながす仕組みです。

タクシーを利用する側から見れば、より乗りたいと思ったときにタクシーがあらわれるようになり、タクシーの事業者側から見れば売り上げアップ、空車時間を削減できるというWIN-WINなもの。

具体的には、東京23区および武蔵野市・三鷹市を500mメッシュで区切り、30分先のタクシー需要をそれぞれのメッシュにおいて10分毎に予測。需要の大きさをタブレット上の地図に反映します。

ドコモの携帯電話ネットワークを利用して生成される「リアルタイム人口統計」のデータと、東京無線のタクシーに搭載した富士通テンの車載器から収集した運行データを富士通の「SPATIOWL」技術でデータ処理を行って、ドコモのAIで解析。ドコモの携帯電話利用者の情報(年齢層など)を基にしたモバイル空間統計、タクシー運行、気象、施設データなどから、NTTグループのAI技術「corevo」の多変量自己回帰とディープラーニングで算出しています。

予測精度は92.9%!売上増加も

2016年12月に、東京無線の車両に搭載した車載タブレット画面でこの予測結果を26人のドライバーに示す実証実験を始め、AIが「需要が多い」と予測する場所を地図上で参照できるようにしました。

実証実験では、2016年6月から2017年3月までのあいだ東京23区と武蔵野市、三鷹市にて実施。学習用に使われたタクシーは4425台で、実際フィールド実証が行なわれたのは、12台となります。

結果は、11月から12月への売り上げ変動の平均が、東京無線協同組合のタクシー全体と実証参加者を比べると実証参加者の方が約49%も高くなっていたとのこと。 12台に乗務した26人の運転手の12月の売り上げは平均で前月よりも1日あたり6723円増加。伸び幅は東京無線の運転手全体の1.5倍に相当するということです。

予測正解精度は92.9%に達しているといい、なかでも駅前や繁華街などの高需要エリア、または住宅街などの低需要エリアの精度が高いといいます。(日本経済新聞

新人ドライバーへの教育にも好影響で、ベテランのタクシードライバーになると積み重ねてきた経験から普段行かないような地域でも、どのあたりタクシー待ちのお客がいるかわかるとのこと。新人ドライバーは、その足りない経験値をリアルタイム移動需要予測情報から学びとることができるということです。

「+d」 AIやIoTを強化するドコモ

九州大学で実証実験を行う自動運転バス

東京無線のドライバーによる実運用を通じて有効性を検証して「移動需要予測技術」を確立し、ドコモは将来的に、商用化を目指してタクシー会社に働きかけると見られます。

スマートフォンの次の稼ぎ頭を模索するドコモは、AI(人工知能)やIoTの取り組みを強化。福岡では、九州大学やDeNAなどと共同で「自動運転バス」の実証運転を開始。

今後、パートナーとともに新たな価値を協創する「+d」の取り組みとして、自動車をはじめとする交通に関わるさまざまな機器のIoT化の促進と、そこから生じるビッグデータを活用して「移動需要予測技術」を高度化し、今後さらに増加が見込まれる交通需要に安定した供給ができるよう、取り組み強化を行っていくとしています。

 

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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