【ドコモ】今年度内に下り最大500MbpsのLTEサービス提供へ 速度が速くなる仕組みを解説

NTTドコモが2016年度中にもLTEサービス「Premium 4G」の下り速度を最大 500Mbps に引き上げる計画を明らかにしました。

これは、昨日行われた16年度第一四半期の決算説明会で公開された情報で、東京オリンピックが開催される2020年までのネットワークロードマップにも明記されています。

現行の「Premium 4G」では、3波によるキャリアアグリゲーションによって下り最大 375Mbpsを実現していますが、年度内に開始予定の下り最大500Mbpsのサービスでは4波を使用する「4×4 MIMO」という技術で実現しています。

LTEとは何なのか

 今では当たり前になった、「LTE」

LTEとはデータを送受信するための通信方式で、正式名称は「Long Term Evolution」。要するに、「通信技術の長期スパンでの進化」という意味です。

以前日本の主流だったドコモのFOMAなどの3G回線に対して、3.9世代と呼ばれた通信の技術が、現在最も速い通信ですが、最近ではほとんど4Gと称されます。こうした現状を受けて、国連の組織のひとつであるITUが、3.9世代に属するLTEを4Gと呼ぶことを許可しています。ちなみにドコモでいうと、現在の「Xi(クロッシィ)」が4Gに該当します。(ドコモの記事なので…笑)auやSoftBankでは4GLTEという名称です。そして、本物の(3.9Gでない)4Gを、「LTE-Advanced」と呼びます。

LTEの特徴は高速、大容量、低遅延という3つです。簡単に言えば、ダウンロードやアップロードの速度が速く通信できる端末の数も増えネットにアクセスした際のレスポンスもいいということです。同時に使用している端末の数や基地局との距離などの影響も受けるため一概には比較できないですが、LTE接続時の体感速度は3Gより大きく向上していますよね。

LTEはなぜ速いのか

 では、なぜLTEにはこうした特徴があるのか。

理由のひとつは、無線の「変調方式」を3Gから大きく変えているところにあります。LTEは「64QAM」という通信の仕組みを採用しており、これによって同時に送受信できるデータの量を増やしています。仕組みを単純に説明すると、送受信する信号と信号の距離を近くして情報の密度を上げることによって、1度により多くのデータが送受信できるわけです。

ですがここで問題があります。

信号の距離を短くするということは、様々な端末でお互いの干渉が増えてしまうということです。これを解決するのが「OFDMA」という技術です。OFDMAは日本語で直行周波数分割多重方式と呼ばれ、周波数ごとにユーザーを分けて通信を行う仕組みです。まあ、要するに、3Gが周波数や時間をユーザーが共有していたのに対し、LTEでは周波数帯を細かく分けて、ユーザー同士がぶつからないように管理しているということになる。

つまりこれが「周波数帯」とか「プラチナバンド」とか呼ばれるものです。(後述)

さらにLTEでは無線を束ねる「MIMO」(マイモ)と呼ばれる技術を採用しています。これは複数のアンテナで電波を受け、そのぶん通信を高速化する仕組みのことで、基地局側、端末側でそれぞれ2つのアンテナを用いれば速度は2倍になる、ということです。

周波数帯とLTE、そして「4×4MIMO」とは?

 LTEに限った話ではありませんが、すべての通信は特定の「周波数」を使って通信を行っています。

たとえばドコモの2GHz帯などがそれにあたり、この数値が高ければ高いほど、光に特性が近くなります。光が障害物にあたると届かなくなってしまうように、電波も周波数が高くなると建物などの陰に周りこみにくくなります。逆に、周波数が低いほど屋内にも浸透しやすいのです。SoftBankが800MHz帯を「プラチナバンド」と呼ぶのはそのためで、少ない基地局で広い範囲をカバーできる、つまり、コスパのいい設備投資が可能ということです。

一方で、800~900MHz帯などの低い周波数は、都市部などでは電波が飛びすぎてしまうことが弱点ともいわれています。結果として1つの基地局に通信が集中してしまえば、品質の低下につながり、どの周波数帯も、一長一短なのです。周波数によって電波の飛び方が違うということは、当然エリアも変わってきますし、端末の種類によって対応周波数が異なります。

利用する周波数は国によって各キャリアに割り当てられており、LTEでは、ドコモが2GHz帯、1.7GHz帯、1.5GHz帯、800MHz帯を、auが2GHz帯、1.5GHz帯、800MHz帯を、ソフトバンクが2.1GHz帯と800MHz帯を利用している。

あれっと思った方、そうです。実は、現在どのキャリアも「プラチナバンド(800MHz帯)」を所有しているんです。(SoftBankさんがやたらとCMしてましたけど、どこのキャリアも持ってるていう…笑)周波数には限りがあり、各社とも3GとLTEを同じ周波数帯の範囲で分けて使っているというのが現状なんですね。

そして、周波数帯を束ねて使えるのも、LTEの技術的な特徴と言えます。各社の通信速度が最大37.5Mbps、75Mbps、112.5Mbpsなどとなっているのは、そのためで、37.5Mbpsの2倍が75Mbps、3倍が112.5Mbpsで、周波数帯を束ねて使えば使うほど速度も上がっていく。この技術のことを「キャリアアグリゲーション(CA)」と呼びます。auがCMでかなり宣伝していたので聞いたことある方も多いでしょう。

例えば、ドコモ回線で、2GHz帯と1.7GHz帯を束ねて使うと、それぞれ速度が112.5Mbpsなので、束ねた速度は225Mbps、ということです。2015年秋には、ドコモとKDDIが3波の周波数帯を束ねるサービスを開始し、下り最大300Mbpsのサービスを開始しています(いずれも、800MHz帯、1.5GHz帯、2GHz帯を束ねている)。

そして、もとの記事の内容に戻ると、「4×4MIMO」は、基地局側と端末側にそれぞれ4つのアンテナを利用し、同じ周波数の電波で複数のデータを同時に送受信するシステムです。つまり、電波を送信する基地局の4つのアンテナそれぞれから端末に電波が送られるので、端末側には高度な演算性能が求められます。ドコモは他キャリアよりも多い4つの周波数帯を持っていますから、より速い通信が提供できるんですね。

ということは、通信速度が速くなった理由は、LTEになってからの通信技術の向上に加え、スマートフォン自体の性能・技術が向上して、高い演算性能が必要な通信でもできるようになったということです。

また、一般にiPhone端末よりもAndroid端末が速いといわれているのは、単純にAppleのスマホ=iPhoneよりも、他のメーカーが造ったスマホ=Android搭載スマホが性能がいいってことなんですね。

おわりに

 というわけで、LTEの速度が速くなっていく仕組みを解説してみましたが、いかがだったでしょうか。自分が情報工学を学んでいるので、少し説明が難しかった部分もあるかもしれませんが。。。

秋には次世代 iPhoneも、次世代Androidバージョンも発表されますね!スマホの進化とともに、通信技術の進化があるわけです。みなさんも速度を気にしてキャリアや端末を選んでみてはいかがでしょうか!

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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