北陸新幹線 与党チームが「小浜・京都ルート」に正式決定 敦賀-新大阪間最速43分に 京都―新大阪間は年度内決定へ

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北陸新幹線の福井県の敦賀から大阪までのルートについて与党のプロジェクトチームは、12月20日に開いた会合で検討されていた3つのルート候補のうち、福井県小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」とすることを正式に決定しました。

京都-新大阪間のルートについては、東海道新幹線の北側を通る北回り案か、奈良県の県境に近い京都府南部を経由する南回り案にするかの判断を先送りし、年度内の決定を目指して検討を続けるということです。

【京都ー新大阪間のルート決定についての続報記事】

所要時間・運賃ともに最適なルートに

北陸新幹線の敦賀から大阪までの区間は、敦賀市から小浜市を経由して京都駅に向かう「小浜・京都ルート」と京都府北部の舞鶴市を経由して京都駅に向かう「舞鶴ルート」、滋賀県の米原駅で東海道新幹線に合流する「米原ルート」の3つが候補でしたが、与党の検討委員会は北陸地方の各駅から新大阪までの所要時間が最も短いことなどを理由に挙げ、先週「小浜・京都ルート」が適切だとする報告をまとめました。

これを受けて、検討委員会の上部組織である与党のプロジェクトチームが20日に会合を開き、報告どおり「小浜・京都ルート」とすることを決定しました。

開通した場合、敦賀-新大阪の所要時間は、小浜-京都ルートが最短の43分舞鶴ルートが60分、東海道新幹線への乗り換えが必要な米原ルートは67分です。運賃は、敦賀―新大阪間で小浜-京都ルートが最も安い5380円舞鶴ルートが6460円米原ルートは6560円となっていました。

京都―新大阪間は決定持ち越し

一方、京都から新大阪までのルート選定は検討作業が終わっていないため持ち越しとなり、今後、年度内の決定を目指すということです。

京都―新大阪間は東海道新幹線の北を通る「北回り」と、京都府が提案した府南部を経由する「南回り」を検討してきました。(ちなみに奈良県の関西学術研究都市を通るルートは、奈良県が「費用負担するほどの経済効果が見込めない」として拒絶)

京都府が提案しているのは府南部の京田辺市を通る南回りルートで、JR片町線(学研都市線)・近鉄奈良線の京田辺・新田辺駅付近に新駅を設置し、「在来線との接続強化」を狙います。検討委員会は調査結果を待って京田辺市駅案をあらためて調整する方針です。

建設費は2兆円弱 早期開業なるか

国土交通省鉄道局が11月に発表した報告によると同区間の概算建設費については、新大阪駅・京都駅は地下駅、他の駅は地上駅を想定し、都市部地下はシールドトンネル、山間部は山岳トンネルと想定、用地取得費などは公示地価を参考に、建物補償費などは過去実績を考慮したうえで算出)、小浜京都ルート(約140km)は、敦賀―小浜市(東小浜)―京都―新大阪の4駅を設置予定。建設費は約2兆700億円費用対効果は1.1

最も建設延長距離が長い小浜舞鶴京都ルート(約190km)は、敦賀―小浜市(東小浜)―舞鶴市(東舞鶴)―京都―新大阪の5つの駅を設置予定。建設費は約2兆5000億円費用対効果は0.7で最も低くなりました。舞鶴ルートは、日本海側の国土軸として新幹線を誘致する「山陰新幹線」構想を狙って石破茂氏など有力な地元出身議員が推進してきましたが、費用対効果が見込めないことから検討対象から外れました。

中間報告では、JR西日本に対し北陸新幹線が通らない滋賀県などの在来線の経営分離は沿線自治体の意向を前提に検討することを求めました。滋賀県の並行在来線は、前回の記事でもお伝えした「湖西線」です。琵琶湖の西側、堅田駅の周辺では早くも「湖西線を守る会」が立ち上がっています(毎日放送)。JRが湖西線の経営から手を引き、第3セクターによる経営となれば、JR西日本のアーバンネットワーク直通の電車がなくなります。負担の増加による運賃高騰も起こる可能性があります。ルートは絞り込まれましたが、これから駆け引きが行われることになりそうです。

国交省によると、小浜ルートの着工は2031年度で、全線開業はいまから30年後の2046年度になる見通し。検討委は17年度はじめから駅やルートの詳細設計を開始することも提言しています。19日に発表された国交省の整備新幹線建設事業費では、北陸新幹線は2022年度末までの早期開業を目指す金沢-敦賀に1340億円(昨年比40%増)を重点配分していますので、与党などの検討次第では、小浜ルートの着工が早まる可能性があります。

mamesuke

福岡出身、関西で学ぶ大学生。学生メディアとして、大学新聞で活動中。ガジェット好き、旅行好き、カメラ好き。鉄道もちょっとかじってます。

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